遺言に関するQ&A
遺言書を書くにあたってどんな法律が関係しているのか把握しなければどんな内容を書くか明確にすることはできません。相続人になるのはどの範囲までの人? 相続したくないときは? 遺言者が認知症になっていたら? など、ここで遺言に関る基礎知識を身に付けましょう
Q.誰が相続人になるの? 法定相続人って何?
まず配偶者は常に相続人です
次に子
子がいなければ親、親がすでにいなければ兄弟姉妹
兄弟姉妹が亡くなっていればその子
親族の生存状況によって変化しますが、その権利があるひとを法定相続人と呼びます
Q.遺贈と相続の違いは?
相続とは、法定相続人が財産を取得することです
遺贈とは、法定相続人以外の人が財産を取得することです
Q.相続権を放棄するにはどうするの?
自分が相続人になったことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所に対して相続放棄の申述を行います。
その前に預金を解約してしまったり、一部でも相続財産を処分すると、相続を承認したとみなされ放棄はできませんので注意が必要です。
Q.限定承認って何?
相続とは、プラスの財産(資産)とともにマイナスの財産(負債)も引き継ぐことですが、資産の範囲内で負債を引き継ぐことを限定承認といいます。限定承認をする場合も自分が相続人になったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所に対して申述が必要です。
Q.代襲相続って何?
本来相続人となる人(被相続人の子)がすでに死亡している場合、その人に子がいれば、相続権はその子(=被相続人の孫)に引き継がれます。これを「代襲相続」といいます。もしもその子(=被相続人の孫)もすでに死亡している場合はさらにその子(=被相続人のひ孫)が相続します。これを「再代襲相続」といいます。
Q.認知症の人の遺言はどうなるの?
認知症の人は、財産をどうする等の重大な決定を下せる判断能力が衰えていることが考えられますので、認知症の人が作成した遺言書は、有効性を巡って争いになることが多いです。
また、公正証書遺言に関しては、作成段階で、公証人が遺言者の判断能力を確認しますので、基本的には認知症の人は公正証書遺言を作成できないことが多いです。
Q.相続に時効ってあるの?
不動産の名義変更や預金の解約には期限の決まりはありません。
ただし、相続放棄、準確定申告、相続税申告にはタイムリミットがありますので注意が必要です。
Q.自分に不利な遺言書に対抗できるの?
遺言により遺留分を侵害されるような贈与や遺贈、相続が行われた場合は、遺留分減殺請求権を行使することができます。それに対して相手方が応じない時や、遺言書自体の有効性に疑義があるときなどは、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てを行うなどの手立てがあります。
Q.わがままな内容を遺言に書いていいの?
例)遺言者のコレクションを○○が代々にわたって管理していくように など
遺言書に記すことで法的効力があることでというのは、法律で定められています。
大きく分けると、財産処分に関すること、身分に関すること、祭祀の承継です。
それ以外のことは、書くことは自由ですが、法的な拘束力がありませんので、遺された家族に気持ちを伝えるに留まるということを覚えておきましょう。
Q.夫婦で1通の遺言書に一緒に書けば大丈夫?
それはできません。遺言書は一人1通ずつ書きます。
Q.遺言書に有効期限はあるの?
一度書いた遺言書には有効期限はあリません。気が変わって書き直すか、撤回しない限り、最後に書いたものがずっと有効です。
Q.一度書いた遺言書を変更することはできるの?
できます。日付の新しい遺言書が有効です。